豚バラブロックの低温調理は何℃で何時間?77℃・8時間30分と脂の変化を考える
豚バラは、中心まで温まった瞬間がゴールとは限りません。赤身の間に厚い脂が入り、筋もある。安全のために火を通す時間とは別に、脂をぷるっとさせ、身をやわらかくするための時間が料理として必要になります。だから豚ロースの「何℃で何分?」より、豚バラは「何℃で何時間?」になりやすい食材です。
中心到達時間と「やわらかくする時間」を分ける
豚ロースや豚ヒレでは、中心まで熱が届き、公的な加熱条件を確認した後の食感が主なテーマです。豚バラブロックはそれに加えて、長時間加熱で脂や結合組織をどう変えるかが仕上がりを大きく左右します。
低温調理ナビでは、豚肉としての安全時間を計算したうえで、豚バラには料理側の最低時間を追加しています。安全時間を長時間調理の代わりにしたり、逆に「8時間やったから中心温度は見なくてよい」とは考えません。
BONIQの比較では、80℃7時間・77℃8時間30分・70℃15時間
BONIQの公式「豚ばら 温度比較実験」では、1ブロック約200gの豚バラを、80℃で7時間、77℃で8時間30分、70℃で15時間、64℃で24時間という条件で比較しています。その中で77℃は、脂がぷるぷるしながら身もしっとりし、脂と身のバランスがよい仕上がりとして紹介されています。
低温調理ナビではこの比較を料理側の参考にして、70℃をじっくり側、77℃をおすすめ、80℃を高温側に置きました。ただし、これは約200gのブロック肉をやわらかくするためのメーカー実践例です。公的な安全基準ではなく、すべての豚バラに固定で当てはめる時間表でもありません。
| 温度 | 長時間設定の方向 | 低温調理ナビの位置づけ |
|---|---|---|
| 70℃ | 15時間程度の長い調理 | ジューシー側 |
| 77℃ | 8時間30分程度 | おすすめ |
| 80℃ | 7時間程度 | しっかり側 |
料理例の参考:BONIQ「豚ばら 温度比較実験」
3cm角に切る「角煮」と、4cmのブロックは同じ料理条件ではない
豚バラは「豚バラ」という名前だけで時間をそろえにくい食材です。アイリスオーヤマの公式角煮では、ブロック肉を3cmほどに切り、80℃で段階的に調理する例があります。大きな塊のまま長時間調理するBONIQの比較とは、形も工程も違います。
低温調理ナビの今回の「豚バラブロック(長時間)」は、薄切り肉や3cm角の角煮ではなく、まとまったブロックを長時間かけてやわらかくする用途です。小さく切った料理を作るなら、そのレシピの工程まで含めて別物として考えてください。
形状差の参考:アイリスオーヤマ「豚の角煮」
8時間30分の中には、「安全」と「食感」という二つの時計がある
豚肉について厚生労働省は、中心63℃・30分以上、またはこれと同等以上の殺菌効果を持つ方法など、十分な加熱を案内しています。ここでいう時間は中心温度に関する安全側の話です。
一方、豚バラを77℃で何時間も調理するのは、脂と筋を変えて料理として食べやすくする意味が大きい。低温調理ナビでは、この二つを同じ「必要時間」として見せつつ、内訳は安全情報と食感情報に分けます。
時間がない日に「安全時間だけ残して短縮」はしない
夕飯まで2時間しかないのに、豚バラブロックをやわらかくしたい。そういう日もあります。ただ、長時間調理が食感そのものを作る食材では、必要時間を削ると別の料理になります。
低温調理ナビで「時間に合わせる」を選んでも、豚バラブロックの長時間設定を2時間へ無理に縮めません。対応する設定がなければ「時間が足りません」と表示します。急ぐ日は小さく切って別のレシピにする、圧力調理など別の方法を使う、と考えた方が現実的です。
豚バラブロックでよく迷うところ
77℃・8時間30分なら必ずおいしくなる?
固定ルールではありません。約200gブロックのメーカー比較例を料理側の参考にしています。実物の厚みや好みで変わります。
中心まで火が通れば完成?
安全上の加熱と、脂・筋をやわらげる時間は別です。豚バラでは長時間調理による食感変化が重要です。
3cm角に切った場合も8時間30分?
同じにはしません。小さく切った角煮は形も工程も別です。
70℃と80℃ならどちらがいい?
70℃はより長くじっくり、80℃は高めの温度で時間を短くする方向です。77℃を中間のおすすめにしています。
2時間しかない場合は?
ブロックの長時間設定としては不足する可能性が高く、計算機は必要時間を削りません。別の調理法も検討してください。
参考資料
豚バラは「火が通る時間」と「脂が変わる時間」を分けて考える
長時間調理をする部位では、安全上の中心温度だけでなく、脂と筋をどう仕上げたいかが数時間単位の差になります。