鶏ハムの低温調理は何℃で何分?巻いた後の直径5cmから時間を考える
鶏むね肉を観音開きにすると、かなり薄くなります。そこで「これなら早く火が入る」と考えたくなりますが、鶏ハムはその後くるくる巻いて太い筒状に戻します。低温調理で見るべき厚みは、開いたときではなく巻き終わった後の一番太い直径です。ここを間違えると、サラダチキンと同じ時間では考えられません。
薄く開いた3cmではなく、巻いた後が5cmなら「5cmの肉」として考える
鶏ハムを丸く成形すると、肉が何層にも重なります。中心へ熱が届くまでの距離は、観音開きにした肉の薄さではなく、完成した円柱の中心までの距離で決まります。低温調理ナビの鶏ハム初期値を5cmにしているのは、この成形後の太さを想定しているからです。
実際に4.2cmなら4.5cm側、4.8cmなら5cm側というように、迷ったときは薄い側へ寄せずに考えます。
同じ鶏むね肉でも、サラダチキンとは時間の考え方が違う
サラダチキンなら、鶏むね肉を平たいまま袋へ入れ、一番厚い部分をそのまま測れます。鶏ハムは一度開いてから巻くため、最終的な形が変わります。原料が同じだからといって、サラダチキンの固定時間をそのまま使うと、中心までの距離の違いが抜け落ちます。
温度設定は同じ鶏むね肉の食感を基礎に考えられますが、時間は成形後の厚みに合わせて別に計算する。この分け方が実用的です。
食品安全委員会の「約3cm・63℃」は、鶏ハム5cmの答えではない
食品安全委員会は、約300g・厚さ約3cmの鶏むね肉を63℃で加熱した実験で、肉内部が63℃に達するまで平均68分、その後さらに30分の温度維持が必要で、合計約100分という例を示しています。
この数字を、直径5cmに巻いた鶏ハムへそのまま使わないでください。形と厚みが違うため、中心の温まり方も変わります。公的な3cm実験から学ぶべきなのは「湯温が63℃でも中心はすぐ63℃にならない」という点です。
63℃はしっとりした鶏むねの食感を狙う温度。公的な一般目安とは別に見る
低温調理ナビの鶏むね肉では、60℃をジューシー側、63℃をおすすめ、66℃をしっかり側にしています。鶏ハムもこの鶏むね肉の食感設定を使います。ただし、これは「おいしさ側」の温度選びです。
厚生労働省や消費者庁が家庭の鶏肉について案内する一般的な目安は、中心75℃・1分以上です。低温調理をするときは、設定温度だけを見て「安全」と判断せず、中心到達までの時間と保持時間を分けて確認してください。
形を整えるところまでが、鶏ハムの下ごしらえ
余分な脂や筋を取り、厚い部分を開いて塩をなじませたら、空気が残りにくいようにしっかり巻きます。耐熱袋へ入れる前に一度直径を測っておくと、その後の時間計算で迷いません。
- 鶏むね肉の余分な脂・筋を整え、厚い部分を開く
- 塩をなじませ、好みでこしょうや香味を加える
- 空洞ができないように巻き、形を整える
- 巻いた後の一番太い直径を測る
- 耐熱袋へ入れて空気を抜き、計算機で出した温度・時間で調理する
- すぐ食べない場合は袋ごと氷水で速やかに冷やして冷蔵する
鶏ハムでよく迷うところ
鶏ハムの厚みはどこを測る?
観音開きにしたときの厚みではなく、巻いて成形した後の一番太い部分の直径を測ります。
鶏ハムは63℃で何分?
63℃だけでは時間は決まりません。巻いた後の直径と冷蔵・冷凍状態で中心到達時間が変わるため、計算機で条件に合わせてください。
食品安全委員会の3cm・約100分を鶏ハムにも使える?
そのまま流用しません。公的な例は約3cmの鶏むね肉で、直径5cmの鶏ハムとは形と厚みが違います。
65℃に上げれば短時間で安全?
設定温度だけでは判断できません。中心がどの温度へ達し、必要な時間維持できたかを確認してください。
作り置きするときは?
すぐ食べない場合は袋ごと氷水で速やかに冷やして冷蔵し、長時間室温に置かないようにしてください。
巻かずに作るならサラダチキンへ
平たい鶏むね肉のまま低温調理する場合は、約3cmの公的実験例も含めてサラダチキンの記事で整理しています。
鶏ハムは、巻いた後に別の疑問が出てくる
平たい鶏むね肉の記事と同じ感覚で時間を決めず、成形後の直径や調理後の扱いまで確認しておくと失敗を減らせます。