低温調理ナビ厚みで計算する
CHICKEN THIGH GUIDE

鶏もも肉の低温調理は何℃で何分?65℃と厚みから考えるジューシーな火入れと安全性

鶏もも肉は、鶏むね肉より脂と筋が多く、同じ鶏肉でも食感の狙い方が違います。低温調理ナビでは65℃を食感側の標準にしていますが、「65℃で何分」は厚みで変わります。公的な安全情報と料理としてのおいしさを分けて考えます。

TEXTURE

63℃・65℃・70℃で、鶏ももの食感はどう変わる?

低温調理ナビの鶏もも肉には、既存の3つの食感設定があります。

63℃
とてもやわらかく、脂のジューシーさが残る
65℃
ほどよい弾力とジューシーさのバランス
70℃
脂と筋がなじみ、しっかりした食感

これは料理としての食感を選ぶための提案です。家庭向けの公的な安全基準そのものではありません。

HOME SAFETY

家庭での鶏肉は「中心75℃・1分以上」が基本の目安

厚生労働省は、家庭でのカンピロバクター食中毒予防として、食肉を十分に加熱し、中心部を75℃以上で1分間以上加熱することを案内しています。加熱不十分な鶏肉料理を避けることに加え、生肉を扱った器具や手から他の食品へ汚染を広げないことも重要です。

低温調理ナビの63℃・65℃設定は、この家庭向け一般目安と同じものではありません。料理情報と公的安全情報を別に表示します。

出典:厚生労働省「カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)」

PUBLIC EXPERIMENT

「厚さ3cmなら約100分」は鶏むね肉の実験例。鶏ももへそのまま使わない

食品安全委員会は、約300g・厚さ約3cmの鶏むね肉を63℃の湯で低温調理した実験を公開しています。この条件では、肉内部の最低温度が63℃になるまで平均68分かかり、そこからさらに30分の加熱維持が必要で、合計約100分という例です。

これは鶏むね肉の特定条件での実験です。同じ3cmでも、鶏もも肉へ「68分+30分」をそのまま固定時間として転用しません。部位、形、初期温度、機器などによって中心温度の上がり方は変わります。

食品安全委員会も、低温調理では中心温度計などを使って温度と時間を管理するよう案内しています。

出典:食品安全委員会「肉を低温で安全においしく調理するコツをお教えします!」

THICKNESS

時間を決めるときは、重さより「一番厚い部分」を見る

同じ1枚の鶏もも肉でも、広げ方や個体差で一番厚い部分は変わります。中心まで熱が届く距離が長いほど時間が必要になるため、実物の一番厚い場所を測ってください。

2cm3cm4cm5cm

3.2cmのように目盛りの間なら、薄い側ではなく厚い側で考えます。低温調理ナビは0.5cm刻みで厚い側へ丸めて計算します。

TASTE / SAFETY

ジューシーさと安全性は、別々に確認する

料理としてのおいしさ

鶏ももは脂や筋があるため、65℃付近ではジューシーさと弾力を両立しやすく、70℃へ上げるとよりしっかりした食感になります。

食品安全

鶏肉はカンピロバクターによる食中毒に注意が必要です。湯温だけでなく中心温度と時間を確認し、家庭向け一般目安も別に確認してください。

子ども・高齢者・妊娠中・免疫が弱い方、ひき肉・成形肉などでは、本体の安全優先設定を利用してください。

HOW TO COOK

鶏もも肉の基本の作り方

  1. 余分な脂や筋を取り、一番厚い部分を測ります。
  2. 塩・こしょうなどをなじませ、耐熱袋へ入れて空気を抜きます。
  3. 本体計算機で温度と時間を確認して調理します。
  4. 安全確認では芯温計を使い、中心温度を確認します。
  5. 取り出したら水気をよく拭きます。
  6. 皮付きなら皮面をしっかり焼き、脂を落としてパリッと仕上げます。

生の鶏肉を触った手、まな板、包丁、トングなどは、加熱後の肉や他の食品に触れる前に洗浄・殺菌してください。

FAQ

鶏もも肉の低温調理でよくある質問

鶏もも肉は65℃で1時間なら大丈夫?

一律には判断できません。肉の厚み、形、初期温度によって中心が温まるまでの時間が変わります。65℃は低温調理ナビでは食感側のおすすめ温度であり、家庭向けの公的安全基準そのものではありません。芯温計で中心温度を確認してください。

鶏もも肉は63℃と65℃ならどちらがいい?

食感では63℃はとてもやわらかく、65℃はほどよい弾力とジューシーさを狙う設定です。ただし、料理としての温度選びと安全情報は別に確認してください。

70℃なら調理時間を短くしていい?

高い湯温ほど中心は温まりやすくなりますが、必要時間を固定で短縮できるわけではありません。中心が目標温度へ達するまでの時間と、その後の保持時間を分けて考えてください。

厚さ3cmの鶏もも肉なら、鶏むね肉と同じ約100分でいい?

そのまま流用しないでください。食品安全委員会の約100分という例は、約300g・厚さ約3cmの鶏むね肉を63℃で加熱した特定条件の実験です。部位や形が違えば中心温度の上がり方も変わります。

鶏もも肉の皮は低温調理の前と後、どちらで焼く?

仕上げに皮面をしっかり焼くと、低温調理で身の火入れを進めすぎずに脂を落として香ばしく仕上げやすくなります。調理後は水気をよく拭いてから焼いてください。

SOURCES

参考資料・関連ガイド