低温調理ナビ厚みで計算する
FROZEN START GUIDE

低温調理は冷凍のままできる?解凍する場合との時間差と安全な考え方

夕飯を作ろうとして、肉がまだ冷凍庫にある。ここで悩むのが「このまま低温調理器に入れていいのか」です。冷凍スタートは冷蔵スタートと同じ時間では考えられません。ただし、だからといって「冷凍なら30分追加」のような万能ルールがあるわけでもありません。

PUBLIC GUIDANCE FIRST

家庭では、まず冷蔵庫や電子レンジでの解凍が基本

厚生労働省は、家庭での食中毒予防として、冷凍食品などの解凍を冷蔵庫の中や電子レンジで行うよう案内しています。水を使う場合は、気密性のある容器に入れて流水を使う方法も示されています。農林水産省も、自然解凍を前提とした商品を除き、冷蔵庫・電子レンジ・流水などで温度管理しながら解凍することを勧めています。

低温調理ナビに「冷凍のまま」という入力があるのは、冷凍スタートの必要時間を冷蔵と同じ扱いにしないためです。公的な解凍方法を不要にする機能、という意味ではありません。

参考:厚生労働省「家庭でできる食中毒予防の6つのポイント」

参考:農林水産省「冷蔵庫のかしこい使い方」

WHY IT TAKES LONGER

冷凍の肉は、まず「凍った中心を温める時間」が増える

冷蔵庫から出した肉と、冷凍庫から出した肉ではスタート地点がまったく違います。低温調理器の湯が同じ63℃でも、冷凍肉の中心は氷点下から温まり始めるため、目標温度の近くまで上がるのに長い時間が必要です。

しかも差は、肉の厚みや形で変わります。薄い肉と5cmの塊肉に同じ「追加30分」を載せる方法では、中心温度の上がり方を表せません。低温調理ナビでは、冷蔵と冷凍を別のスタート状態として扱っています。

FREEZING IS NOT STERILIZING

「冷凍していたから安全」という考え方はしない

冷凍すると細菌の増殖は抑えられますが、冷凍そのものを殺菌の代わりにはできません。厚生労働省の家庭向け資料でも、冷凍庫の低温では細菌の増殖が止まっても、細菌が死ぬわけではないと説明されています。

また、解凍と再冷凍を繰り返すことも避けます。調理する分だけ計画的に解凍し、途中で調理を止める場合は室温に放置せず冷蔵する、といった基本の温度管理が低温調理でも変わりません。

SALMON EXCEPTION

サーモンの低い温度帯は、冷凍のまま計算しない

低温調理ナビでは、サーモンを43℃や46℃など60℃未満で仕上げる設定を「食感目的の料理情報」として扱っています。この温度帯は殺菌を目的とした設定ではないため、冷凍のまま入れて中心の解凍と温度履歴が不明確になる使い方は案内していません。

60℃未満のサーモンを選ぶ場合は、冷蔵解凍後に使います。生食できる食材か、寄生虫対策が確認できるかも別に確認してください。

→ サーモンの低温調理と安全情報を読む

FAQ

冷凍スタートでよく出る疑問

冷凍肉は解凍せず低温調理してもいい?

家庭の食中毒予防では、冷蔵庫内、電子レンジ、条件に応じた流水などでの解凍が基本です。本体の冷凍スタート計算は、冷凍状態を冷蔵と同じ時間にしないための目安です。

冷凍なら30分足せばいい?

一律には足しません。厚みや形、設定温度で中心まで温まる時間が違うため、冷凍状態として別に計算します。

冷凍すれば食中毒菌は死ぬ?

冷凍を殺菌の代わりにはできません。低温で増殖が止まっても、細菌が死ぬとは限りません。

常温で自然解凍してもいい?

公的な家庭向け案内では、冷蔵庫内や電子レンジ、必要に応じた流水などで温度管理しながら解凍します。

冷凍サーモンもそのままでいい?

60℃未満の食感設定については、低温調理ナビでは冷凍のまま案内せず、冷蔵解凍後を前提としています。

RELATED

時間を決めるもう一つの軸は「厚み」

冷蔵か冷凍かだけでなく、中心までの距離も時間を大きく左右します。冷凍5cmと冷蔵2cmを同じ料理名だからと同じ時間にしないためにも、厚みの考え方を合わせて確認してください。

→ 低温調理で重さより厚みを見る理由

FROZEN START NEXT

冷凍スタートを選んだら、解凍以外の条件もそろえる

冷凍か冷蔵かだけでなく、予熱の開始点や食材の厚みを同じ基準で扱うと、時間を足し算だけで決めずに済みます。